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2008/06/27

ソナくそ(ソナタ形式なんてクソ食らえ!)第2回 「ソナタ形式とは?」

ソナタ形式とは?

・・・各自でお調べ下さい。

ちなみに私は「ソナタ形式」なるもの、全て実践で覚えました。楽書、解説書の類は一切見ておりませんで。「ソナチネ・アルバム」に載っている曲2,3曲弾けば分かると思うんですけどねえ。とりあえず、本ブログでは省略いたします。

おわり。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

さすがにこれだけではナンなんで、もう少し書きます。

ところで、音楽の楽しみってどこにあるんでしょうか?(・・・いきなりデカいテーマになったぞ??)

人それぞれ色々な意見あってしかるべきでしょうが、私は、時間を追うごとに変化してゆく音色、メロディー、リズム・・・その移り変わりが大きな楽しみのひとつなんじゃないかなあって思います。移り変わりの仕方は千差万別、それこそ音楽上の色々なテクニックがありますが、共通するのは、聞き手に、その推移を不自然に感じさせない工夫だと思います。たとえ、唐突な変化であっても、その前後に手がかりがあれば問題ないですが、ただ単に新規を狙っただけの唐突さは、いくら作曲者・演奏者本人がいきり立って解説したところで、多くの共感を得るのは不可能です。

それは、例えば、森の木々たちが春に若葉を付け、夏に生い茂り、秋には紅く色づき、冬に葉を落とし耐える、と言った自然のサイクルも、この順番であるから合理的に納得が行くわけで、これが、若葉→落葉→また生えて紅葉→青葉、なんて順番は「どう見たってヘン」なのと同じで、音楽にだって、その音、メロディー、リズムに見合った推移の良し悪しが、曲の出来の良し悪しにつながると言っても過言ではないと思います。

それは、何も30分かかる大曲だから、とかそういう訳ではなく、例えば8小節のフレーズの中にだって認めることはできるし、極端な話、ひとつの音と音・・・つまり音程・・・に限定したって推移の良し悪しは、そのままメロディーの良し悪しにつながる・・・つまりジャンルはジャズであろうとポップスであろうと、良否の基準に変わりはないと私は思っています。

さて、ここからは西洋のクラシック音楽に限定しますが、クラシックでは、推移を自然に、かつ論理的に組み立てて行くテクニックの中で、もっともポピュラーな手法のひとつとして、「テーマ(もっと細かい単位で『モティーフ』)の展開」が挙げられます。

具体的にどういうことか、と言う事を譜面であらわしてみます。

ちなみに譜例は、ベートーヴェンのピアノソナタ第1番の中のモティーフのひとつです。

譜例1)

Tenkai_theme まず、これが最初にあって・・・

譜例2)

Tenkai (画像クリックで拡大します)

こちらが展開例。これは私の創作で、実際の曲中にこのようなフレーズは現れません。と言うより、これはいかにも「能のない展開方法」の典型例・・・つまり「まんまやんけ」・・・でして、実際の展開には、この要素を複数組み合わせる(例えば移調+リズム変化とか)事が多いだけでなく、これ以外にもいくらでも、つまり~作曲者のイメージする分だけ~展開手法は存在します。

ただしあまりに込み入った展開は、テーマ(モティーフ)からの乖離をどんどん進行させてしまうので、聞き手が「テーマとの関連性」を曲から取り出すのを難しくしてしまう・・・「全然違うメロじゃん」と言う事になってしまう。別に込み入った展開を否定するわけじゃなくって、いやむしろ作曲者には、そうやって半ば暗号のようにもとのモティーフをすんごい手法で展開させる「醍醐味」もあるのですが、少なくとも「大衆アピール」はしませんな。

この「展開」と言う手法は、バロック以前から・・・この辺はまだ私は不勉強でして、いずれピタゴラスやらグレゴリオ聖歌やら調べてから書き直します・・・既に確立していたものなんですが、「ソナタ形式」がそれまでの音楽形式と一線を画するものがあるとすれば、この「展開」のテクニックを、ひとつの独立した「部分」にまで拡大させた事・・・つまり「展開部」の確立・・・にあるのです。

さて、この「展開部」というヤツですが、ただ闇雲に、提示部にある2つ(ないしは3つ以上)のテーマをあれこれ変形させて、ランダムに並べれば済む、という話ではありません。それをちぐはぐにならぬよう、順序だてたり論理付けたり・・・一番大事なのは、聞いていて、その進め方に無理なく自然で、道筋をしっかりつけてやらねばいけない、という事です。って言うは易しいが実際に曲として表現するのは難しい。それが証拠に、古今ソナタ形式の楽曲はクサる程あるのに、「推移」まで気を配り、実際に効果を上げている作曲家や楽曲は、そんなにないからね。いわゆる現代に「名曲」として名を馳せているアノ曲やその曲だって、「メロディーだけはきれいだけどつながり悪いじゃん」「なんか色々テーマいじっているけど、ただいじってるだけで意味不明」なんていうのは結構あるのです。

「ならお前には書けるんかぁっ!」とツッコまれて、段々逃げ場を失う片山であります。

いいのっ!今回は自分の曲の分析じゃなくて、ベートーヴェンをサカナに語る会だから!

・・・話を元に戻すと、ソナタ形式の中での展開手法に一番長けているのが、ほかならぬベートーヴェンであるのは周知のとおり。てか、私がすごいと思うのは、彼のテーマの展開見てみると、ただ単に、推移が自然で、とか道筋が付いている、だけじゃなくて、ちょっとした音の上げ下げや、変化の中に、彼自身の人生哲学や思想までもを封じ込めてしまっていると感じる点です。また音楽を時系列的に、つまり、最初から順番に聴かれる、という事への意識と配慮がなされている点、~これも、実は曲を書こうとする者が陥りやすいワナで、ある程度形式に理解のある人間は、「形式」とい型枠の中にテーマだのモティーフだのをはめ込んで行く、文字通り「型にはめられて」しまって、聞き手には「時間順」に音を届けられると言う当然の事実を忘れてしまう。~その他ダイナミクスのバランシングや、リズムの交代のタイミング、数え上げたらキリがない・・・。

この続きは次回・・・

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